みなさん、新型コロナウイルスの脅威に対して、治療薬やワクチンに
大きな期待を寄せていることかと思います。
世界中で研究が行われ『臨床試験』という形で人での投与が始まっています。
そんな中で、本日きっとみなさんが驚かれるようなニュースが飛び込んできました。
このニュースを見て何を感じましたか?
『危ない薬を人に使ったのか!』と怒る人もいるかもしれません。
『もうワクチンなんてできないかも・・・』と悲観的になる人もいるかもしれません。
そう思う前に以下のポイントを抑えてください。
- ワクチンは100個の候補から、使えるようになるのは4個くらい
- 試験が中断することは、珍しくない
- それでも一般に使えるようになるのは、遅れることにはなりそうだ
【1.ワクチンは100個の候補から使えるようになるのは4個くらい】
一般的に新しいワクチンの候補が見つかったら、国が定めたルールに従って、
まず、動物で安全性を確かめることから始まります。
最終的には多くの被験者の方に接種して有効性と安全性を確認できたものが、
国に認められ一般的に使われるようになります。
間違っても安全ではないもの、効き目がないものを一般的に使われるように
ならないよう厳しい基準・厳しい手順で試験は実施されます。
こういったプロセスの中で最終的に国に認められるのは4%くらいなのです。
だから今、世界中で研究が進められ多くの候補が見つけられているのは
大変好ましいことなのです。
【2.試験が中断することは、珍しくない】
中止と中断の違いについては、以下の通りです。
- 中止:すぐにやめて、再開することがない
- 中断:いったんすぐにやめるが、再開するか、中止するか検討する
今回のニュースでは中断と書いてあるので、何かしらの問題が起きて、
それの原因がワクチンの可能性がある。
いったんすぐにやめて、このワクチンのせいで起こったことか十分に精査して、
試験を中止するか、再開するか検討するといった状況であることが予想されます。
さて、このような手順を踏むことは新しい薬の試験では珍しいことではないです。
是非みなさんにも知っておいてほしいのですが、全ての薬・ワクチンには
副作用があります。
薬やワクチンは人にとって異物なので、どうしても副作用は起こってしまいます。
『えっ、私今まで薬を飲んで具合が悪くなったことなんてないよ?』
という方もいるかもしれませんが、副作用には個人差が大きいのです。
そのために、何か問題が起きたら試験を中断して、このまま進めるか
やはり中止するかを十分に検討する手順が組み込まれているのです。
【3.それでも一般に使えるようになるのは、遅れることにはなりそうだ】
このワクチンは試験が成功すれば、来年の1月から日本にも供給される予定でした。
試験が中断することで、色々な検討が必要になると考えられるため、
もし十分な検討の結果、試験が再開されても残念ながら当初の予定通り
日本への共有をされることは難しいかもしれません。
それは今後の追加情報を待ちましょう。
最後に、
世界中で新型コロナワクチンの開発が、急ピッチで進められています。
それらは色々な方々の努力なくしては始まりません。
全世界が一つになって、この脅威に立ち向かっているので
私たちはそんな人たちを応援しましょう!
あと、私たちが今できることは、3密を避ける、マスクをつける、
消毒はしっかりするなどの、個人でできる感染を広げない取り組みです。
こういった取り組みを通じて、全人類一丸となって新型コロナウイルスへの
勝利を勝ち取りましょう!