大変残念なことに、新型コロナウイルスの陽性者数が増えています。
11月18日午後9時半時点で、
1日の新規の陽性者数は 2202人となり、過去最多となりました。
こういった状況を受けて、日本医師会の会長が会見を行いました。
今回は、この内容をもとに、ニュースの見方を解説したいと思います。
1.会見の内容について
本日の、会見の内容は、ネットニュースを見ていただくのが、早いと思います。
その記事がこちらです。
この中で以下の発言に、首をひねった方が多いのではないでしょうか。
中川氏は感染拡大とトラベル事業との関連性を問われ、「『Go To トラベル』自体から感染者が急増したというエビデンス(根拠)はなかなかはっきりしないが、きっかけになったことは間違いないと私は思っている。感染者が増えたタイミングを考えると関与は十分しているだろう」と話した。
エビデンスはなかなかはっきりしないが・・・。
いや、明らかにGoToトラベルの影響じゃないか!
と思われる方もいらっしゃると思います。
では、このエビデンスとは何のことを言っているのでしょうか?
2.『エビデンス』って何のこと?
陽性者数の増加の原因と考えられる理由を、色々な意見を列挙してみました。
- 冬になって、気温が下がり、湿度も下がったため。
- 各々の、感染対策に対する意識が薄れてきた(コロナにな慣れてきた)ため。
- 経済活性化の対策で、人の交流・移動が増えたため。
Go To トラベルは、このうちの3つめになりますね。
じゃあ、Go To トラベルを実施しなければ、陽性者数は増えなかったのでしょうか?
この問いに答えられる人は、いないはずです。
Go To トラベルを実施したら、陽性者数が増えたけど、
Go To トラベルを実施しなかったら、陽性者数が減りました!
こんな比較ができれば、Go To トラベルが陽性者数が増えた原因だと特定できますが、
Go To トラベルを実施しなかった状況を、これからどんなに頑張っても
経験することができないため、直接比較はできないのです。
医療では、この上記のように、比較をした結果をエビデンス(根拠)として
より適切な、判断ができるように活用します。
でも、今回の新型コロナウイルスの陽性者数に、Go To トラベルが関係するか、
直接比較ができないことが、『エビデンス(根拠)はなかなかはっきりしないが、』
という、発言の背景にあると理解してもらえればと思います。
3.『きっかけになった』ってどういうこと?
『きっかけになったことは間違いないと私は思っている。』についても
以下の2つの仮定をもとに、解説したいと思います。
(※ この仮定は、どちらが真実は分からないことを、前提としてください。)
仮定①:
Go To トラベルを利用した人が、旅先で羽目を外して、感染症対策が今までより
甘くなってしまった結果が、陽性者数を増加させている。
きっかけ:Go To トラベル
原 因 :感染症対策のゆるみ
仮定②:
今までの感染症対策は、実はあまり意味がなかったけど、人と人との交流が減った
ことにより、陽性者数が増えていなかったが、Go To トラベルを実施したために
人と人との交流が増えたため、陽性者数が増えた。
きっかけ:Go To トラベル
原 因 :人と人との交流
どちらが、真実だとしてもGo To トラベルが、『きっかけ』と考えられる訳です。
4.最後に
色々と、仮定をもとに話してきましたが、感染拡大予防のため、
個人でできることは限られています。
それは、自分が感染しないよう頑張ることです!
感染対策は油断せず、3密を避ける、マスクをする、
アルコールで消毒するなど、基本的な対策を徹底しましょう!